「はぐれてしまったこと」の3日後に事件は起きました。
その日は、けいちゃんお気に入りのスーパー銭湯に行きました。
脱衣所への階段を上がっているときです。
けいちゃんが突然ギアを切り替えてダッシュしました。
「あっ!」と思ったらそのまま女子脱衣所へ突撃です。
捕まえようとしたけれど全く追いつかず振り切られてしまいました。
こちらはどうしていいかわからず、名前を呼びましたが出てきません。
従業員が周りにいないので、焦る気持ちを抑えて1階まで戻って事情を話し、脱衣所の前まで来てもらったそのときです。
今度は素っ裸で脱衣所から出てきたかと思うと、猛然とダッシュし、3階に上がる階段を上り、自動改札のような入口を突破(別料金を払わないと入れません)して、上の階へ突撃してしまいました。素っ裸で。
背が低く幼い感じなので幼稚園児に間違えられます。ですから、笑っている人もたくさんいましたが、これが続いてしまうと大ごとです。
しばらくたって、戻ってきたところを捕まえて、持っていた別の服を着せ「帰る」と伝えました。
最初はしてやったりというキラキラした表情をしていましたが、帰るとなると大泣きです。
「走らない」「お風呂ぉぉ」と泣きながら訴えてきます。
頭の中ではお風呂に入ってアイスを食べ、休憩所でゆっくりすると思っていたはず。そんなうれしい予定が変わるなんて受け入れられません。ですので大騒ぎです。
今までだったら許してしまっていたかもしれません。
ですが、3日前に一人で外へ行くという大冒険をして、自由に動くことに楽しさや自信をつけてしまっていたのではないかと思ったので、厳しくしました。
行ったことのない女子風呂や上の階に元々興味があり、3日前の大冒険でうまくいったので「やってやろう!」と内心考えたと思います。
入場料も払ったのでもったいなかったのですが、大騒ぎしているけいちゃんをつれて外へでました。
ちょうどバスが出たばかりで次のバスが1時間後。
クールダウンも兼ねて、2キロ離れた別のバス停まで暑い中歩きました。ですから、けいちゃんの心にさらに追い打ちをかけたはずです。
下の写真はお風呂に行く前の様子です。
100円ショップのキャン・ドゥが好きで、ワンドゥという犬のキャラクターの映像が特に大好きです。それを見て、お風呂の前はこんなにうれしそうにしていました。
楽しいお出掛けが、悲しい終わり方をしてとても残念ですし、可哀想でしたが、必要なことだったと思っています。
その後、「走らない!(走りませんという意味)、走ってはダメ!」と言ってきたり、「ストップ」というと止まるようになりました。
関係性のちょっとしたバランス、こちらの主導権の握り具合で、危険なことになりうることを学んだ3日間でした。
怪我など大ごとにならず、運が良かったと思います。