1歳半になろうとしていた冬。
「おいしい」という言葉だったでしょうか。
初めての言葉を聞いたような気がしました。
写真のときも、そのころまでは苦労せず、目が合い笑顔が出て、自然に撮ることができました。
言葉を増やそうと、抱っこして歩くたびに、「車!」「電柱!」と繰り返し繰り返し話しかけていました。でも、うんともすんとも言わず、全く興味なさそうな、反応のない様子になっていきました。
写真も同様で、冬を過ぎると自然に目が合うことが、ほとんどなくなりました。
後々主治医の先生から、「折れ線型の典型だね。」と言われて、「やっぱりあのとき言葉は出ていたんだな。」とあらためて思いましたが、何かに引きずられるかのように、内へ内へ向かってけいちゃんの意識が引っ張られるような、そんな時期だったように感じます。
次に言葉が出るのは4歳になったときで、ここから2年半、「早くしゃべってくれ~」と祈るような思いで過ごしました。
下の写真は、目が合って笑顔で撮れた最後の時期の写真です。この辺りを境に、こちらを向いた写真は自然には撮れなくなっていきました。
内へ内へ向かっていくものをどう外部の人に意識を向かわせていくのか。
後に教えていただいた「タッチ」という行動で、だんだん外部との接続を作り直して次の言葉につながっていきました。